屋根材の種類

屋根材ってどんな種類があるの?

屋根材は大きく分けて4種類。岡山ではセメント瓦も多く掲載します。それぞれ異なる長所、短所があります。

粘土瓦(釉薬瓦・いぶし瓦)

粘土瓦(釉薬瓦・いぶし瓦)

粘土を使った焼き物で釉薬瓦やいぶし瓦などがあります。

釉薬瓦は、表面がガラス質で水が浸透しないので長期間美しくメンテナンスが不要です。
初期費用は、高めます。最近は平板瓦もよく出ます。洋風の家に合う瓦はS型、M型もあります。

セメント瓦

セメント瓦

平型と和型があります。

瓦の中では軽量で強度はあるが紫外線、風雨、温度変化で表面の塗装が劣化すると瓦の強度も落ちてきます。定期的な塗装が必要になります。

岡山では、借家によく平型のセメント瓦を使っています。和型は塗装すると粘土瓦と見分けがつかないようになりますから、昔は岡山では、よく施工されました。今では製造中止の瓦がほとんどです。

化粧スレート(カラーベスト・コロニアル)

化粧スレート(カラーベスト・コロニアル)

セメントと人口繊維や天然繊維を加圧成形して製造します。こちらも表面を塗装しています。平たいスレートの場合は屋根材(木材)部分の通気性が悪く腐食や劣化しやすい。

アスベストで問題となった屋根材です。古い屋根材は取扱いに注意が必要です。現在はアスベストを使用していないので健康面では安心ですが、強度の問題が気になります。

金属

金属

金属系は、ガリバリウム鋼板・銅板などの種類があります。
重量が軽く、初期コストが安めです。しかし、断熱性・防音性に難があります。

最近は塗料もよくなっていますが、キズが付けばサビが出て劣化が早くなるので早めの塗装が長持ちの秘訣です。

屋根の材料と特徴

屋根に使われる材料とその特徴です。ご参考にしてください。

  耐久性 断熱性 防音性 初期コスト 重量 メンテナンス
(維持コスト)
粘度瓦 不要
ストレート系 5〜15年ごとに塗装
セメント系 15〜20年ごとに塗装
金属系 10〜15年ごとに塗装

瓦は重いから地震に弱いってホント?

耐震性で肝心なのは屋根の重さではありません。

目には見えない躯体 (くたい)の強度が重要=耐震性

ガイドライン工法

躯体と瓦を釘や鋼線を使って固定するため、風にも地震にも強い屋根に仕上がります。

http://www.kawara.gr.jp/mv/mv.shtml

地震に強い家

地震で倒壊した建物

地震に強い家とは、躯体が十分な耐震性をもっていることがポイントです。

瓦屋根の建物が地震で倒壊したニュースなどを見かけることがありますが、それらは建物の古い基準で作られたものが多いようです。

夏涼しく冬暖かい省エネ屋根材はどれ?

真夏の屋根温度は60~70℃にもなります。

屋根断面の熱流

屋根断面の熱流

屋根材の熱流が重要!

熱の届く量が少ないほど室内の温度変化も少なくなります。

さらに空気層から湿気を逃すため、野馳板の腐食を防ぎ、住宅の耐久性を高めます。

さらに空気層から湿気を逃すため、野馳板の腐食を防ぎ、住宅の耐久性を高めます。

屋根選びで家の寿命が違うってホント?

災害に強い構造=家の寿命が長い

丈夫な家は、寿命も長い。「屋根瓦・重たい建物」「化粧スレート、金属屋根など・軽い建物」

屋根瓦の家は筐体もしっかり、軽い屋根の家は筐体も細い

長い目で見るとどの屋根材がおトク?

瓦はメンテ費用が安く、結果的にお得

屋根面積100㎡の場合

瓦はメンテ費用が安く、結果的にお得

※金額、年数はあくまでも目安です。(「粘土瓦普及委員会」資料より)

瓦は経済的!20年で約110万円の節約!

上のイラストは初期コストに塗り替え費用をプラスした20年後の総コストです。屋根材によっては、錆や色落ちなどの劣化によって塗り直しが必要になってくる場合があります。

数十年後を見据えた総コスト計算も重要なポイント!
20年で約110万円、30年で180万円の節約になります。

塗装が取れてしまった屋根材

装が取れてしまった屋根材

金属やスレート屋根材でもやはり塗装が劣化します。
粘土瓦は、塗り替えが不要です。アンテナ工事やソーラー工事でたとえ割れても1枚から差し替えが可能でコストが抑えられます。

住むなら丈夫な家がいい!

震度7にも耐える瓦の家

震度7にも耐える瓦の家

高速道路が崩れても瓦屋根は残った

ビルが倒れ、高速道路も倒壊した阪神淡路大震災。
大きなマンションが崩壊しているすぐそばで、瓦屋根の家はほとんど被害を受けていません。

実験で証明された耐震性

これは特別な例ではありません。現在の住宅建築は、大震災クラスの地震にも倒壊しないよう設計されているのです。
瓦屋根も同じです。建築研究所のしどうのもと筑波の研究施設で行われた実験でも、2階建ての瓦屋根は震度7の地震に対してもビクともしませんでした。

実験で証明された耐震性

東日本大震災にも、瓦屋根は耐えた大きな爪あとを残した東日本大震災。

古い瓦屋根にも被害がありましたが、もちろんそれ以上に多くの瓦屋根が大震災に耐えました。

軽い屋根も倒壊している

一方、大きな地震のたびに住宅被害は発生しています。それは瓦屋根の家でけでなく、金属など軽い屋根の建物でも同じ。躯体の耐震性が不十分であれば、屋根の種類にかかわらず地震の被害は起きてしまいます。

肝心なのは、屋根の重さではないのです。
躯体が十分な耐震性をもっているか。地震への配慮はそれにつきると言えるでしょう。

屋根の形状による特徴

切妻屋根(きりづまやね)

切妻屋根(きりづまやね)

日本で最も代表的な屋根が切妻屋根です。
屋根の頂上から地上に向かって二つの傾斜面で構成されるシンプルな形状となっています。

特徴

  • 構造が単純で、使う材料が少なくて済むので安価
  • 傾斜をつけやすく、雪や雨に強い
  • 南側に斜面があれば太陽光発電にも向いている
  • デザイン性が低い

素材との相性

和風、洋風どちらにも適応する柔軟性があり、和瓦、洋瓦、スレート、金属といったあらゆる素材との相性がいいです。

寄棟屋根(よせむねやね)

寄棟屋根(よせむねやね)

寄棟屋根は四柱造りという別名のように、4方向に傾斜している屋根です。
切妻屋根に次いでポピュラーな形状です。

特徴

  • 4方向に傾斜があり、風に強い
  • デザイン性が高い

素材との相性

和風、洋風どちらにも適応します。正倉院のような歴史的建築物に用いられていることから、瓦のイメージが強いですが、近年はスレートの寄棟屋根も増えています。

方形屋根(ほうぎょうやね)

方形屋根(ほうぎょうやね)

寄方形屋根は屋根の頂点から4方向に傾斜している屋根です。寄棟屋根との違いは、屋根の頂上が線ではなく、点になっているところで、正方形に近い面積の建物に用いられます。

特徴

  • 4方向に傾斜があり、風に強い
  • デザイン性が高い

素材との相性

瓦、スレート、金属のどの素材も用いられます。

片流れ屋根(かたながれやね)

片流れ屋根(かたながれやね)

片流れ屋根は、名前の通り一方向にのみ雨水を流す、斜面が一つの屋根です。
デザイン性が高く、洋風な住宅や建造物に使用されるケースが増えています。

特徴

  • 構造が単純なので、工事が容易で価格も安い
  • 南向きに斜面を造れば、太陽光発電に最適
  • 1斜面で受ける雨量が多くなるので雨じまいの設計が重要

素材との相性

スレートを用い、太陽光発電と併せて利用されるケースが増えていますが、瓦を使ってモダンな雰囲気を作り出すこともできます。

入母屋屋根(いりもややね)

入母屋屋根(いりもややね)

入母屋屋根は、伝統的な和風建築に多く利用されています。
上部は切妻屋根、下部は寄棟屋根という形状になっています。

特徴

  • 重厚なデザインで、高級感がある
  • 形状が複雑なので、比較的効果

素材との相性

和風建築物と、和瓦との相性が抜群です。スレートの素材で建てられることもあります。