カバー工法とは

屋根のリフォームには「葺き替え工事」と「カバー工法」があります。

カバー工法は「重ね葺き」とも言われ、一言で言うと、既存の屋根の上に重ねて新しい屋根を取り付ける工法です。既存の屋根材の上に防水シート(ルーフィング)を敷き、その上から新しい屋根材を取り付ける工法です。


既存の屋根材を解体せず、その上に新しい屋根材で覆う(カバー)するためにカバー工法と呼ばれますが、カバー工法の場合は解体が無いので日数も短く、廃材の処理も必要がないため、費用が安く屋根リフォームが行えます。

こんな方におすすめ

屋根カバー工法(重ね葺き)はスレート屋根(カラーベスト・コロニアル)の屋根リフォームに適した工法です。

軽量で初期費用が安いカラーベストは新築一戸建てでよく使われていますが、築30年以上でアスベスト入りのスレート系屋根材でこの先家をどうするか未定の場合、20年か30年ぐらいもってくれればいいという場合には最適な工法です。

カバー工法のメリット

カバー工法の主なメリットでは以下のようなことが挙げられます

  • 廃材が発生しないので解体工事費と廃材処理費の両方が節約できる
  • アスベストが含まれた屋根の撤去費用等は高額なのでカバー工法で費用を抑えることができる
  • 工期が短い
  • 屋根を解体しないので生活に支障が出にくい
  • 屋根が2重構造になることで雨音を軽減・断熱性の向上
  • 2重構造になることで耐久性が増す

メリット1 費用面でお得!

葺き替え工事では既存の屋根材を全て剥がして、イチから屋根工事をするのに対して、カバー工法では既存の屋根はそのままで、既存の屋根の上に新しい屋根材を葺きつけていきます。そのため、撤去にかかる人件費や不要になった既存の屋根材の廃材処分にかかる費用などコストが安くすみます。

特に2004年以前に施工された建築物の建材にはアスベストを含んだものがあります。アスベストを含む建材は環境負荷が高いために解体も難しく、その費用も、廃材処理費も高額になります。廃材がほぼ出ないカバー工法はこのような屋根にも最適です。 「アスベストを含んだ建材が使われている建物に住んでいて大丈夫か」とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、ご安心下さい。破壊や粉砕しない限り、空気中に飛散することはありません。 また、お住まいの屋根の種類が分からない方はご相談ください。

メリット2 スムーズに工事が行える

葺き替え工事を行う場合は屋根材を一度剥がしてしまいます。そのため工事の間、別の場所で生活をしていただいたり、雨漏りが起こってしまうことがあります。また、当然ホコリや騒音などもありませんので、普段通りの生活をしていただくことが出来ます。

メリット3 屋根が二重構造になり断熱性や遮音性が高まる

カバー工法では既存の屋根の上に新しい屋根材を葺きつけるので、屋根が二重構造になり厚みが増します。そのため、断熱性や遮音性も高くなります。

カバー工法のデメリット

一方、デメリットでは以下のようなことが挙げられます

  • 使用できる屋根材が限られてしまう
  • 屋根が重くなってしまい、耐震性が下がる
  • 屋根の劣化状況によってはできない事がある
  • 一度カバー工法を行った屋根のリフォームは、葺き替え工事になります

デメリット1 カバー工法に向いていない屋根もある

カバー工法は金属屋根やスレート屋根(カラーベスト・コロニアル)の屋根には向いていますが、段差のある瓦屋根にはカバー工法で屋根リフォームをすることはできません。他にも段差が多い屋根であったり、太陽光パネルのある屋根には、屋根カバー工法は向いておらず、すべての屋根で屋根カバー工法が適しているというわけではありません。

カバー工法が向いている屋根、向いていない屋根についてとその詳細はお気軽にお問い合わせ下さい。

デメリット2 屋根の劣化状況によっては施工できない場合もあります

カバー工法の場合、屋根の下にある建材などの補修は行えません。下地の補修が必要なまま放っておくと見た目は綺麗になっても、内部の腐食はどんどん進行してしまいます。建物内部まで被害が拡大してしまうと、新しく屋根カバー工法で施工した屋根と従来の屋根、二重の屋根を剥がしてメンテナンスする必要があり、大変手間がかかり費用も高くなってしまいます。

弊社では入念な点検と調査をしてから、カバー工法で施工できるかどうかを判断しています。場合によってはカバー工法をお断りし、他の工事をご提案する場合もございますので、ご了承下さい。

デメリット3 カバー工法は一度きり

カバー工法をしている状態では、追加でカバー工法での屋根リフォームは行えませんので、次にリフォームを行うときは葺き替え工事になります。また、その際には二重の屋根材の解体が必要になりますので、当然解体費用や廃材処分費用も割高にはなってしまいます。

コスト的にはメリットの大きいカバー工法ですが、屋根の状況や建物の状況、20年後30年後の生活スタイルによってはデメリットとなってしまうケースもあります。

佐藤瓦では、豊富な実績をもつ屋根診断士がお客さまの生活スタイルにあった工事をご提案をさせていただきます。